【すぐ泣く女に機関銃】典型的な自分棚置き女子の行末が気になって読み切った作品
著:和田依子
あらすじ
「毎日つまらないのは、あなたがつまらない人間だからですよ」
いい年してアイドルを追いかける同僚、使えない上司、愛想の一つもない新人。
「どうしようもない人たち」と周りの人間を見下し、「頑張り屋の私がフォローしてあげないと」と言いつつ悪いことはすべて誰かのせいにしながら、マンネリ感の漂う彼との結婚だけを夢見て生きる、アラフォーOLの杏(あん)。
しかしある日、見下していた同僚の結婚が決まったことから、思わず本音を漏らしてしまい…新人に痛い一言を突きつけられてしまう。
それを皮切りに、杏は自分と否応なく向き合う羽目に…
感想
アラフォーOL、自称「頑張り屋で優しい」杏(あん)は、交際8年の彼との結婚を第一目標に、彼の都合のいいように立ち回りプロポーズを待ちながら、どうしようもない会社の人間たちのフォローをして、不満を募らせながらも毎日を過ごしています。
そんなある日、自分の第一目標である「結婚」を、自分より先に決めた同僚に焦ったことで腹黒い本音が漏れてしまい自分と周りの認識の差が浮き彫りになっていくのですが、
教育係になった無愛想なぼっち新人、簡単な仕事しかしない同僚、仕事のできない上司、優柔不断な彼氏だと思っていた彼らが、本当はどんな人なのか、周りが自分をどう思っているのか等、
だんだんと杏が、自分と周りの意識の違いを自覚していく様子がとても面白かったです。題名の意味はこう言うことだったのか…と、いい意味で裏切られた感がありました。
全ての根源である、杏のコンプレックスも含め、最後のまとめ方も自然で良かった。
さくっと読める長さと内容がちょうど良かった1冊でした。
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