『徒然綴り』

気ままに 好き ときどき 毒 を書き留めたもの。

【海が見える家】父の訃報から始まった一夏の物語



【発売日一覧】

https://www.instagram.com/p/BljRi-SnIaW/

著:はらだみずき

 

 

あらすじ

 

父親と疎遠になっていた青年「文哉(ふみや)」が

就職難で焦って入った会社はブラックで、1ヶ月も経たずに退社。

そんな時に、1本の電話で父の訃報を知ります。

 

親元を離れてから初めて行った父の引越し先で知る父は

「自分が見てきた父」とはイメージが違っていて

父が何を想い、何をして、どう過ごしていたのかを遺品整理をしながら知っていきます。

 

そして、文哉は少しづつ自分を見つめ直していき…。

 

 

 

 

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感想

 

始まりはブラック企業での理不尽な対応に辟易し

疲れ切った文哉が、ひとつき程で退職したところに入った訃報の知らせ。

 

そこから、苦手意識のある父の元へ訪れることになるのですが

そこでは「自分の知らない父」が存在していて

 

文哉はそのギャップに触れることで「知らなかった父」に興味を持ち始めます。

一夏で知る「本来の父の姿」「父の想い」「父の過去」。

 

それによって、自分を見つめ直す文哉が

緩やかに、でも確実に前進する姿が自然に描かれていて

激しさはないけれど、じんわりと心に沁みるような

 

人生は、こんな風に細やかなきっかけが

分岐点なんだろうなと自分に照らし合わせてみたり、

 

軌道修正も、方向転換も、自分に誠実になれば

できないことじゃないよなぁと感じてみたり、

 

初めてこの方の作品を読みましたが、

静かな中にも起伏があって、とても読みやすかったです。

 

本当に人生の一幕を書き記しているイメージなので

人によってはサラリとしすぎていると感じるかも?と思わなくもありませんが

静かにに寄り添う感じが個人的には好ましかったです。

 

 

欲を言えば、文哉の姉にスポットを当てたお話が読んでみたいなと思いました。

婚約者に逃げられた経験を持つ彼女が

夢を追いかけながら頑張る姿、そこで出会った男性に対する想い。

 

父の訃報を受けて手に入ったお金が彼女に与える影響等々、

弟に勝るとも劣らないドラマがありそう。

 

そんなところも含めて

人生ってままならないけど、なんとかなるよなと思える作品でした。

 

 

 

海が見える家 (小学館文庫)

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