『徒然綴り』

趣味 エトセトラ

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【完璧な母親】愛情と狂気は紙一重

 

完璧な母親 (幻冬舎文庫)

著:まさきとしか

  

あらすじ

 

息子を亡くした母親が、悲しみの末にたどり着いたのは

「息子を産みなおすこと」。

 

そして息子と同じ誕生日に「娘」を産んだ母親は、息子と同じ名前をつけ、誕生日には息子の歳のロウソクを立て、息子の分と2つプレゼントを渡し

「あなたの中にはお兄ちゃんがいるのよ」と娘を育てます。

 

「子を全力で愛する母親」の愛が行き着く先は…

 

完璧な母親 (幻冬舎文庫)

完璧な母親 (幻冬舎文庫)

 

 

 

感想

  

はじまりは「最愛の息子の死」。

小学1年生になったばかりの雨の4月25日、池で溺れてしまいます。

 

子を持つ身としては、少々感情移入してしまう冒頭だったので読み始めはとてもシンドイ流れではありましたがそれだけに、興味をそそられました。

 

悲しんで、悲しんで、悲しんで、その悲しみの末の決断が「やりなおし」。 

娘の中に息子と同じところを見つけ、更には同じになるように導いて「息子」を作り上げようとする母親と

 

そんな母親に「お兄ちゃんがいなければ、あなたは存在しなかったのよ」と言われ続け、毎年誕生日には兄の欲しい(だろう)ものとテディベアを与えられ

自分の歳ではない数のロウソクがたつケーキを食べる娘。

 

その2人を中心に繰り広げられる世界に

途中先が見えつつも、面白くてするすると入り込んでの読了でした。

 

ただ、最後が個人的には少々物足りなかった。

余韻を残して「想像する」ことができる余白があることが味なのかな?とも思うのですが

 

母娘関係も、息子の溺れた原因も、なんとなく放置されてるような感じというか…少々消化不良な印象。

もう少し、布石を拾い上げて完結して欲しい欲求が残った作品でした。