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『徒然綴り』

ゲームや読書、お絵描きを好む超インドア派が書くブログ

【ファタモルガーナの館 ~COLLECTED EDITION】総評:悲劇と絶望と堪え難い真実を刻んだ、魂の記憶の物語



Vita【ファタモルガーナの館 ~COLLECTED EDITION

ファタモルガーナの館 -COLLECTED EDITION- - PS Vita

劇と絶望の西洋浪漫サスペンスホラー

 

 

 

あらすじ

 

気づくと古ぼけた館の暖炉の前で、

館の女中に「旦那様」と呼ばれる「あなた」。

 

記憶も存在もあやふやな「あなた」は、

「あなた」の痕跡を見つけるために、

女中に連れられて、屋敷の記憶を辿ることになります。

 

そうして「四つの悲劇」を見ることになった「あなた」は

何を感じ、選び取るのか…

 

誰かが言った、

「他人の悲劇だから耐えてこられたんだよ」の意味するところは…?

 

 

システム・スチル

 

本編・過去編・現代編と収録されていて

本編から攻略していくと順次、解放されます。

 

目パチ、口パクはありません。

ヴォイスも、現代編以外はありません。

 

選択肢がゲームの行く末を変えるのは本編のみ。

過去、現代は選択肢があっても、どれでもOKのもののみで

ノベルゲームというより、「ノベル」です。

 

スチルは全編合わせて73枚。

ギャラリー(ストーリーとは関係ないものが大半)が31枚。

 

どれも独特の雰囲気のある絵柄で

物語が、より盛り上がるちょうどいいところに挟まれてきます。

 

現代編はアニメタッチなものに変更されていますが

どちらも丁寧なスチルです。

 

  

ストーリー

 

ノベル形式。

 

構成が丁寧で、キャラクターやお話の屋台骨がしっかりとしてるので

複雑な人間関係や、それぞれの悲劇の登場人物が混じることなく

最後まで目が離せない流れになってます。

 

 

最後に

 

 攻略を終えて、まず一言…

「面白かった」です。

1冊の小説を読み切ったような、そんな余韻のあるゲームでした。

 

個人的には、「素晴らしい音楽」と「文章」のみで仕上げられた

本編は特に好ましかったです。

 

決められた「声」が無いことによって

広がる世界観があること、

音楽で表現される、物語の深みのようなものを再認識しました。

  

このゲームは「主人公視点」で、

あるいは「女中視点」で、

あるいは、それぞれの「登場人物視点」で

 

「真実」を徐々に紐解いていく過程こそが、醍醐味であると感じるので

今回は、全体の印象に重きをおいて、感想を述べたいと思います。

 

まず、最初に紐解く本編は、

不気味な雰囲気に包まれた館で、無機質な女中と出会うことから始まります。

 

自分の正体も含め「謎」だらけの状態で

雰囲気、絵柄も相まって結構、ホラーです。

 

そんな、一見「おばけや幽霊」といった「人ならざる者」の不気味さが、

恐怖を生み出しているような雰囲気ですが、

悲劇の物語の引き金は全て「人間」です。

 

嫉妬、狡さ、弱さ、行き過ぎた保身、

身勝手さ、思い込み、残酷さ、裏切り、集団心理…

 

それらが引き金になり、

ボタンを掛け違い、本質を捻じ曲げられ、

悲劇を生み出します。

 

それぞれの物語は、いろいろな要素が幾重にもなっていて、

人間的なバランスの悪さや、行き過ぎた負の感情、

悪意が人に及ぼす影響等、しつこい位に丁寧に描がかれているので、

 

物語を進めるにつれ

本当に胸が痛くなる展開が多く、涙するところも多々ありました。

 

こう書くと、全てが悲劇で、

人間の悪いところばかりが描かれているような

「重いだけの作品」のように伝わってしまいそうですが、

 

全編を通して、負の連鎖の中にありながらも

「自分の大切なもの」を掴み取るために

踏ん張る強さであったり、

包み込む優しさであったり、

誤解を解く粘り強さだったりもしっかりと描かれているので、

 

負の感情に晒され、同調して疲れる反面、

後味の悪さだけを残すことなく、

「やりきった感」も得る事のできる内容であったと思います。

 

ただ、過去編、現代編は

本編にたどり着くまでの物語や、本編のその後が描かれていて、

とても楽しめたのですが

本編に比べると少し引きは弱かったかな…と。

 

特に現代編は、絵柄の変更、物語の傾向の違い、声が付いている事で

受ける印象がガラリと変わる上に、

 

本編・過去編の要素を全て詰め込んだ印象で、

それまで丁寧に、丁寧に描かれていた彼らの物語が

少々、乱雑に纏めあげられていたように感じました。

 

それだけを見れば、綺麗に纏まってはいたし、

それぞれの、その後も興味深かったのですが

本編ほどの丁寧さや、物語の深みは感じられなかったのが本音です。

 

 

といっても、それを差し引いて余りある、

とても読み応えのあるボリュームと、内容を軸に展開される物語は

 

なんでも分かってくれる王子様のような男性が出てくる

コテコテの乙女ゲームではありませんが、

 

存分に「運命」を感じる事のできる恋愛要素を含んだ、

ドラマティックで素晴らしい作品でした( ´ ▽ ` )

 

  • ホラー要素を含む展開が苦手ではない方
  • 「運命」というワードが好きな方
  • 人間の残酷さを受け止められる方
  • ストーリー重視のゲームを希望する方

 

そんな方には、とてもとてもオススメです。

 

絵が苦手だな〜と感じる方もいらっしゃるかと思いますが

(私は絵柄で、最初避けてました。)

 

この物語には、この絵柄がピッタリだと

最後には思える組み合わせだと、個人的には感じましたので

 

「生理的に受け付け無い」とかで無ければ(←)

きっと、慣れも手伝って楽しめるかと思います。

 

「必ず不幸になる館」へ訪問してみて下さい\(^o^)/

 

 

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